気温がマイナス1度を下回ったら乗る前に読んでください。

氷点下で原付に起こる3つの危険

『冬の危険は路面凍結だけではない』

寒い日が続いています。
雪が降り気温が氷点下になる中、原付バイク等で通勤通学するライダーの皆様に是非読んでいただきたい内容になります。
冬季走行の危険を知っていただき安全を確保していただければ幸いです。

氷点下の危険は路面凍結だけではないのです。

1、スロットルが戻らない!回らない!

毎年多く報告されています、非常に危険な部分なので初っ端にご紹介いたします。スロットル(アクセル)系が凍り付いてしまう事象です。

アクセルが凍って戻らなくなる恐怖

スロットル凍るのは多くがケーブル回り、グリップ回り、キャブレーター内の3つになります。
『乗ろうとしたらスロットルが凍り固まって動かない』そんなケースも非常に困りますが、なにより一番怖いのが走行中の凍結です。

最も怖いのがバイクの暴走

スロットルが凍る状況で最悪なのが『フルスロットルのまま戻らなくなる』ケースです。
これだけは本当に危険で大事故に直結しますので絶対に避けなければいけません。

出発時は大丈夫でも走行中に凍る!

『出発するときは普通だったのに走行中に戻らなくなった』このよな報告が実は多いのです。
つまり走行中に知らず知らず冷やされいつのまにか凍結しスロットルが戻らなくなってしまいます。非常に危険です。

スロットル凍結による事故を防ぐ方法

『寒い日は乗らない』これが一番の対策になりますがこれを言っては終わりですので対処方法をいくつ挙げてみました。

  • バイクをなるべく濡らさない、雨ざらしを避ける。
  • 日ごろからスロットル回りのグリスアップなど、メンテナンスを怠らない。
  • 出発前にスタンドを立てた状態でアクセルが正常にもどるかテストする。
  • 少しでもアクセルに違和感(堅さや引きずりなど)がある時は乗らない
  • スロットルを一定に保つことを避け、敢えてアクセルの開閉を繰り返しながら走る
  • 走行中にアクセルが凍ったらどう対処するかをシュミレーションしておく(これ大事です!)
  • 実際に戻らなくなったら『焦らず、ブレーキと場合よっては足で減速、隙を見てキーをオフにする。』
  • マイナス3度を下回ると発生報告が急増します。そんな日は安全のためにバイクを諦めることも大事。

こんな雨ざらし、雪ざらし状態ではなにが凍ってもおかしくないですよ!

実際に走行中のアクセル凍結を体験された方の多くはブレーキで減速することができず転倒してしまっています。
アクセル全開でのブレーキングなので簡単ではないのですがしっかり両方のブレーキを効かせることができれば減速できるはずです。
減速したら足も使ってなんとか停止して、バランスを保ちながら左手はブレーキ保持・右手でキーをOFFにできればベストです。

乗ろうとしたらすでにアクセルが凍って回らない時は・・

朝一番に乗ろうとしたらアクセルが凍ってカチカチ、回らない、動かない、そんな時は以下の注意をしてください。

  • エンジンをかけない。【急発進する恐れがあります。】
  • スロットルを無理に回さない。【アクセルワイヤーが切れる恐れがあります】
  • 仮に動くようになってもなるべくなら乗らない【走行中に再凍結する恐れがあります】
  • 水分除去、グリスアップ、部品交換などの処置をする。【一度凍った車両はケーブル内などに水分が残っている可能性大です】

アイシングってなに?キャブレーター車は特に注意

恐怖のスロットル凍結事故ですが凍りつく箇所はいくつかあります。
スロットルケーブやスロットルグリップ回りの凍りつきは水分を除去したり、グリスアップしたりで緩和させることができます。
しかしキャブレーター内のいわゆる【アイシング】現象はそうはいきません。

アイシングとは・・・
燃料が気化する際に回りの熱を奪う気化熱によって急激に冷やされる空気中の水分が凍結し作動不良を起こすこと。

これがキャブレーター。寒さには弱いんです。

キャブ車は4スト、2スト問わず注意

アイシングで一番怖いのがやはりスロットル全開での張り付き(凍りつき)です。
車種によってはキャブヒーターなどの凍結抑止装置が付いていることもありますが稀です。
繰り返しにはなりますがスロットルを一定に保つことを避け、開閉をあえて繰り返し、万が一をシュミレートしておいてください。

アクセル凍結事例があった車種

当社で確認できている範囲にはなりますが過去スロットル凍結が報告されている車種を上げておきます。
自分の車種が入っていても必要以上に怖がる必要はありませんので参考程度に考え対策を整えてください。

HONDA ディオ(AF18/AF27/AF28/AF34/AF35)
HONDA トゥデイ(AF61)
HONDA ズーマー(AF58)

YAMAHA YB-1(F5B)
YAMAHA ビーの(5AU/SA10J)

SUZUKI レッツ2(CA1KA/CA1PA)
SUZUKI アドレスV125(CF46A/AF4EA)

 

車種によって凍りやすさの優劣などがあるのかは不明ですが参考にしていただければ幸いです。
他にも報告がありましたら随時更新していきたいと思います。

2、カギ穴が凍り付いて刺さらない、回らない、抜けない

鍵穴に水分が入りそれが凍ってしまうとキーが一時的に使えなくなることがあります。
気温が氷点下の時はいつもよりも慎重にキーを挿し、やさしく回しましょう。

キーの穴に水をいれてしまうと凍ってしまうので注意です。

凍ったら無理に回してはいけません

もしカギ穴が凍っていてキーが刺さらない、刺さりにくい場合は無理やり差し込んではいけません。
キーの中のピンが壊れてしまうとキーシリンダ自体が壊れてしまいます。

キーが回らない場合も同様に無理に回さないでください。
カギが曲がったり、折れたり、またはシートオープンのワイヤーが切れたりしてしまいます。

気温が上がるのを待つかドライヤー等で溶かす。

氷が解ければ元に戻りますので気温が上がるのを気長に待つか、ドライヤー等の温風で溶かしましょう。
熱い温風を当てすぎて周りのプラスチック部品を溶かすことのないように加減してください。

お湯はダメ!

意外とお湯をかけてしまう人が多いのですがこれは逆効果。
一瞬は溶けて動くようになるかもしれませんが残った水分が再度凍りつき悪化してしまいます。
どうしても急ぎでお湯をかけるのならその後に圧縮エアーなどで水分を完全に吹き飛ばしてください。

予防方法は?

日常的にバイクを雨ざらしにしない事が一番の予防方法になります。
またカギ穴用の潤滑スプレーを吹いて置くのもオススメです。
普通の潤滑スプレー(クレ556、ラスペネ等)だと埃を寄せつける、べた付くなどのデメリットもありますがやらないよりはいいと思います。


※キー専用の潤滑スプレーなのでべた付くこともなく動きを滑らかににしてくれます。


※多目的の潤滑スプレーでこれ1本で予防から回復までこなしてくれる優れものです。キー穴に挿すと少しべた付きますが即効性と耐久性が非常に高いのでずぼらな人には特にオススメです。

3、ブレーキ、クラッチなどのレバーが動かない!

次はブレーキやクラッチなのでレバーが凍って動かなくなる事象です。
凍る場所はレバーの作動部分やワイヤーケーブル部分、ブレーキやクラッチのアーム部分など様々です。

出発前に必ず動作点検をしてください

ブレーキやクラッチなどレバーがスムーズに動くかは出発前に必ず点検してください。
氷点下の朝は特に注意してチェックしましょう。

無理に動かしてはいけません!

もしブレーキレバーなどが凍り動かない場合は無理に握ってはいけません!
動かない物を強く握って動かそうとする、それが人情ですがそこは冷静に対処してください。
凍って動かない状態で無理やり握ってしまうと最悪ワイヤーが切れて壊れてしまいます。

いつもより強めに握る程度は大丈夫ですがワイヤーが切れるほどの馬鹿力で握るのはだめです。

動かないからと言って無理やり握るのはNG!最悪ワイヤーが切れちゃいます。

急にスカスカに軽くなってしまったら

レバーを握ってる内に急にスカスカに軽くなってしまうことがあります。
それはケーブルが【切れてしまった】または【外れてしまった】状況です。

ブレーキは切れてスカスカになりやすいですし、クラッチはワイヤーが外れてしまうことが多いです。
急にスカスカになってしまったら修理が必要ですのでバイク屋さんなどに依頼してください。

気温が上がるのを待つ or ドライヤー等で溶かす

繰り返しにはなりますが気温が上がれば自然と溶けて動きだします。
急ぐならドライヤーなどの温風で温めますが、他の部品等を溶かさないように加減してください。

温風で狙う場所は①レバー回り、②アーム回り、③ワイヤーの順番でいいかと思います。

まずはレバー回り、赤丸の辺りを温風で狙います。

次はアーム部分、赤線で囲んだ付近を温めてみてください。

赤線でなぞったケーブルがブレーキワイヤーになります。

 

予防方法は?

やはり日常的にバイクを雨ざらしにしない事が一番です。
他にはグリスアップや潤滑油を差すなどのメンテナンスも怠らないでください。
ブレーキの動きが渋いなどありましたら早めの予防として部品交換などもオススメです。

※多目的に使える潤滑スプレーでレバー回りやケーブルに吹くと動きが滑らかにスムーズになります。防錆効果や水置換性能も高いのでこれ一本で【予防】と【回復】が出来て非常に役立ちます。オススメです!

まとめ

氷点下での危険を最小限にするために

  1. なるべくバイクを濡らさない
  2. 日ごろからメンテナンスを怠らない
  3. 出発前にアクセル、ブレーキなどに違和感や硬さがないか点検する。
  4. 走行中も気を抜かずもし凍ったらどうするかを想定しておく。
  5. 冷え込みが厳しすぎる日はバイクを諦める決断も必要

冬季のバイク走行は路面凍結によるスリップが最も怖いと思いがちですが他にも危険がいくつかあります。
日頃のメンテや点検で防げる事も多いので是非参考にして対策を整えていただきたいと思います。