当店の原付スクーター、入荷から店頭に出るまでの実録

原付バイクが入荷し・・・・

・・・・商品になるまで
「整備って実際何をするの?」
中古バイクを選ぶときによく耳にする『整備済』や『整備後渡し』の言葉ですが「実際のところ何をしているの?」と思ったことはないでしょうか?一口に整備と言ってもその内容はお店によってまちまちです。『かなり深いところまで整備をし消耗品は交換済み』のお店もあれば、『整備料は高いのに意外と整備が不十分、消耗品交換は別料金』なんてお店もあります。
「あのバイク屋で買ってよかった」そう思っていただけるために整備に力を尽くしています
仙台東ライダースの中古車がどのようなことをして店頭に並ぶのかをご説明いたします。入荷から点検→整備→試乗→調整→洗車→仕上げの全工程を公開いたしますので店頭に並んでいる原付がどんなことをされているのかをご理解いただければ今後の中古車選びの参考になると思います。当店では「あのバイク屋で買ってよかった」と言っていただくには何をしたらいいかと考え動いていますので是非ご覧頂たいと思います。
入荷したらまず全体チェックし、ふるいにかけます!

今回のモデルはこのSUZUKIレッツ2 程度は中くらい。
原付スクーターが入荷したらまず全体的にチェックします。この時点でダメージが大きい車両は省き、ふるいにかけます。仙台東ライダースで店頭販売している原付たちは意外と選りすぐりのエリートたちなんです。(余談ですが、省かれた落ちこぼれ原付ちゃんたちは解体屋さんでバラバラにされたり、船に詰め込まれ海外に出されたりします。かわいそう・・)
60項目点検表で一つ一つチェックしていきます

整備点検チェック表です。60項目以上のチェックをしていきます。このチェック表は当店すべての中古車にありますので整備状況や新品交換部品の確認をしていただけます。
メーカーの整備点検記録簿を参考に当社で独自に作成した整備チェック表です。原付に特化した内容になりますのでより具体的で的を絞った作りになっています。このチェックで不具合や消耗部品を探し出し『乗りやすく、壊れにくい』原付に仕上げていきます。
チェック表をもとに 点検→整備 , 点検→補充と順々に作業を進めていきます。

ライト、ウィンカーなどの灯火類もすべてチェックしていきます。メーターバックライトなどは見落としやすく切れやすいので細かく点検します。

前のウィンカーも当然チェックです。
購入後の修理コスト削減も考え、消耗品を交換しながら点検を進めます。
『消耗品の交換は店の責任』を口癖にガンガン交換していきます。消耗品を交換すれば走りもスムーズになり購入後の修理コストも大幅に抑えられるはずです。見えない部分にも安心とお得を詰め込んでおきます!

新旧プラグです。点火プラグなどの消耗品は問答無用で交換です。
スパークプラグや4サイクルオイルなどの短期消耗品は無条件で交換します。各所の点検をしながら消耗品の交換作業をすすめていきます。チェック表では60項目あまりですが実際は数え切れないほどのチェックがなされています。

バッテリ-も交換します。
この中古スクーターは2サイクルですが、最近の50ccスクーターは4サイクルのインジェクション車がほとんどです。インジェクション車はバッテリ-依存度が高いのでバッテリーはとても大事になります。寒い仙台で「出発前のエンジンかからない!」を防ぐためにバッテリーも万全にしておきます。

徐々にバラしていきながら一つ一つ点検整備していきます。

エアクリーナーBOXを開けエレメントを点検します

エアクリーナーも新品に交換しました。
エアクリナーエレメントも交換します。状態のよい湿式のエレメントなら洗浄してOKの場合もありますが最近の原付スクーターは乾式が多いのでほぼ交換ですね。

燃料やオイルなども補充していきます。2サイクルオイルは満タン入れます。
オイルや燃料なども点検します。古い燃料は原付のエンジン不調の原因になるので、交換して新鮮なガソリンを補充します。2サイクルオイルは満タン補充しておきます。タンクの状態などもこの時にチェックしておきます。

ブレーキレバーも点検し遊びの調整などをしていきます。
「気持ちよく、安全に、そして乗り出してからのコストを抑える」そのための整備を重ねます。
「気持ちよく走る」のために細かい調整も手抜きはいたしません!「安全に走る」ためにより丁寧に、見落としがないよいうに慎重に整備点検を進めていきます。さらに長く持たせるための整備や仕上げも行っていきます。

マフラーのサビ汚れを落とし、塗装の準備をしていきます。

ワコーズの耐熱塗料でマフラーの塗装をします。
マフラーは長期消耗品と呼ばれ使い続けるといずれは錆びて穴があいてしまいます。そのため当店では中古車のマフラー再塗装を徹底しています。見た目がよくなるだけではなくマフラーの持ちが格段に良くなります。マフラーの交換費用は高額なので中古車選びのときは要チェックです!
さらにバラしてより深い点検整備をすすめていきます。
ここまでお読みいただいてありがとうござます。だいぶ長くなっていますが整備はまだまだ続きますので休みながらご覧ください。ここからはさらに細かい部品まで分解し点検していきます。外見ではわからないことですが「心地よい走り」や「安全に乗る」に直結する大事な部分なのでより丁寧な作業を心がけていきます。

取り外したキャブです。分解し清掃をしていきます。

さらに分解して点検、清掃をしていきます。

細かい部品が多いので慎重に点検し劣化部品は交換します。

各ジェット類の洗浄をしていきます。

キレイになって組みあがったキャブレーターです。(見た目あまり変わってないですが・・中身はピカピカです!)
駆動系の部品の消耗は走りに直結しますので入念に点検していきます。
駆動系の部品は走行性に直接かかわってくる大事な部分です。中古車で消耗したままだとスピードが出なくなったり、上り坂での減速がひどくなったり、最悪走らなくなったりしますので、要チェックです!外見では消耗具合がわかりませんのでばらして点検し交換していきます。

スクーターの駆動系のパーツが詰まっている部分です。

こちらが駆動系のパーツたちです。分解して点検していきます。

ベルトやウェイトローラー、プーリーやクラッチなど細かく点検し消耗している部品はすべて交換します。

このバイクの部品ではないですが参考資料でのせておきます。上が新品のウエイトローラー下が消耗したもの。下の状態だと非常に危険です。
タイヤはバリ溝以外は新品に!ブレーキシューも減っているものは新品交換!
タイヤやブレーキは短期消耗品なのでよほど良い状態以外のものは交換します。ただまだまだ使えるものを闇雲に交換するのはエコじゃないのですべて新品交換というわけではありません。タイヤは5割、ブレーキは4割をきっているものはすべて新品交換します。

タイヤも減っているものは新品交換します。

ブレーキシューも消耗品ですので点検します。安全に直結する部品なので慎重に作業します。
安全に走行するためにボルトやナットの緩みも点検します
万が一ですが走行中に緩むと大変危険なので入念にチェックしていきます。原付の中古車はどこに緩みが潜んでいるかもわかりませんので細かく点検していきます。

各所の締め付けを点検します。

リアサスペンションなどの締め付けトルクも点検します。
点検・整備のすべての項目が合格した原付のみ走行テストに入ります。
60項目の点検とそれにともなう数え切れないチェックと整備がおわりました。すべての項目で合格がでた中古車は走行テストにはいります。走行テストで問題や要調整が見つかればまた整備にもどります。点検整備→試乗→整備→試乗と入念に試乗を重ねていきます。

すべての項目のチェックが完了したら試乗をします。

試乗では加速感やブレーキ、異音やアイドリング状態など『走る曲がる止まる』の状態を点検します。
走行テストも合格で、晴れて当店の原付中古車在庫として展示されます
点検・整備・走行テストのすべてに合格したら洗車していきます。長年の汚れをすべて洗い流してあげます。中古車だからと言って汚いままだとバイクもかわいそうなので新車のように磨きあげます。ここまで手をかけていると商品とは言え不思議と愛着が沸いてくるものです。娘を嫁に出したくない父親のような気持ちでしょうか。

展示する前に汚れを洗い流します!

中も清潔にしておきます!
点検、整備、試乗、洗車すべてが完了し、当店の中古車が完成します。
ようやく仙台東ライダースの中古車が完成しました。『整備済み中古車』と言ってもその内容は一言では言い表せませんのでここにご紹介させていただきました。とても長いページをお読みいただきありがとうございました。この後も店頭展示中に日々チェックをしエンジンの調子や始動性などを見ていきます。晴れて売約がきまりましたらさらに納車前整備をおこない万全の状態でお客様の元へ嫁入りします!

最後にピカピカに磨き上げて完成です。中身も外見も生まれ変わりました!

ここまでやってさらに展示中の日々のチェックと納車前整備も行います。すべては『ここの中古車にして良かった』のためです。