『エンジンのかからない原因を自分で確かめて、修理代が大体いくらになるかを事前に知りたい!』そんな方はお読みください。

ヤマハの原付スクーターの人気車種ビーノ(SA37J)とジョグ(SA36J/SA39J)。加えてVOX(SA31J)とギア(UA06J)の4つのスクーターは同系エンジンを積んでいます。エンジンがかからなくなる原因も似通っていますのでまとめてご紹介します。

万が一自分のスクーターが原因不明でエンジンがかからなくなった時にお読みいただき、トラブルシューティングや修理代の目安、参考になれば幸いです。

ヤマハ ビーノ

VINO

ヤマハ ボックス

VOX

ヤマハ ジョグ

JOG

ビーノ・ジョグのエンジンがかからない5大原因

  1. バッテリー、セルモーター、スイッチ、等の不良でセルが回らない
  2. カーボン噛み
  3. プラグ、イグニッションコイル回りの断線等で火花が飛ばない
  4. ヘッドガスケットやウォーターポンプ回りからの冷却水の流入
  5. 燃料ポンプの故障

 

以上がエンジンがかからない原因で多い5つの症状になります。
燃料が入っていない【ガス欠】は別格で省いていますのでガソリンの残量はまずチェックしてください!

エンジンがかからない原因を見分ける方法

ではこの5つのどの原因でエンジンがかからなくなってしまったかを追究していきましょう。
この5つのどの原因でもないことも充分ありえますので慎重に調べていきます。
質問に答えていくと消去法でどんどん原因が絞られていくようになっています。

原因追求① 『セルは勢いよく回りますか?』

いつもどおりエンジンをかける動作をしてみてください。
ブレーキを握ってスタートボタンを数秒押すとどうですか?
『きゅきゅきゅきゅっ』と勢いよくセルモーターが回ってクランキングするでしょうか?

  • 回りが弱い

    いつもより回りが弱弱しい場合はバッテリーが弱っている可能性が大です。交換するかキックスタートを試してみましょう。バッテリー交換に関してはこちらのページで詳しく説明していますのでよかったらご覧ください。

  • カチッと音がするだけ

    スタートボタンを押すと『カチッ』みたいな音がするだけの場合、セルモーター故障の可能性大です。バッテリーが弱くても起こりえますが、どちらにしてもキックスタートを試してみましょう。

  • 無反応

    ブレーキを握ってスタートボタンを押してもうんともすんとも言わない時は4つの可能性があります。

一、バッテリーが完全放電

キーONでウィンカーやホーンを操作してみてください。なにもかも無反応の場合バッテリーが死んでるかヒューズがとんでいる可能性大です。バッテリー交換の価格はこちらを参考にしてください。

二、ブレーキスイッチの不良

ブレーキを握って後ろのブレーキランプが点いていますか?ブレーキスイッチが不良だとランプが点かない上にスターターも作動しません。まずはブレーキランプが点くように修理するのが先決です。左右両方のブレーキを順番に握ってみましょう。

三、スタータースイッチの不良

スターターのボタンが接触不良を起こしている可能性があります。ヤマハのスクーターでは定番の故障で、雨ざらしの車両では特に起こりやすいです。スタートボタンをクリクリこじるように押している内に動き出すこともあります。

四、スターターリレーの不良

最後はスターターリレーという部品の故障です。こちらは比較的珍しい故障にはなります。上の一~三のいずれでもない場合はリレーの可能があります。

原因追求①ではまずスターターが正常に動くかを確かめる事が重要です。
スターターの音がいつもと違って弱弱しいなど感じた場合はバッテリー交換かキック始動をためしてみましょう。

 

原因追求② 『スイッチONで音しますか?』

これは電源をいれて燃料ポンプが動き出す音が鳴るかを確認する作業です。
キーをさしてオンに回すと「ウィーーッン」みたいな小さな作動音がします。
なるべく静かな場所で耳を澄ましてよく聞いてください。
数秒ほどですがちいさなモーター音のような音がなるはずです。
燃料タンク付近から音がするので耳を近づけてよく聞き耳をたててください。

  • 音がしない

    燃料ポンプが動いていません。燃料ポンプ故障の可能性が大です。(バッテリーが充分にあることが大前提です。バッテリーが上がっていれば動かないのは当然です。)

  • 音がする

    燃料ポンプが正常だという証拠にはなりませんがとりあえず動いてはいることにはなります。音はするが小さかったり、不安定だったりするときもありますので燃料ポンプは正常と決め付けるのはまだ早いですがとりあえず他の原因を探っていきましょう。

燃料ポンプの故障に関してはこちらのページで詳しく説明しています。
メーカー保証で無料で直る可能性もありますので良かったらご覧ください。

原因追求③ 『エンジン警告灯が点いてませんか?』

最近のFIのスクーターは自己診断機能がついていますので故障が検出されれば警告灯が点滅します。
メーター部分に点いているエンジンマークのようなランプは光っていませんか?

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ビーノのメーター。エンジンのような形のこのランプです。

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こちらはVOXのメーター。3つ並んだ警告灯の真ん中です。右は水温警告灯。

IMG_1141

スイッチオンで2秒ほど警告灯が点灯しますが、正常であればすぐに消えます。

キーをオンにして一度点灯した警告灯が消えて、再度点滅するときは故障が検出されています。
点滅の間隔や回数で故障箇所を示してますのでよくよく点滅の様子を見てください。

  • エンジン警告灯が点滅している

    何かしらのエラーが検出されています。特に点火系の断線やセンサー系の断線が多いです。5大原因の一つイグニッション回りの断線もエラーが検出されるので原因がはっきりします。

  • エンジン警告灯は点いていない

    自己診断機能では検出されない故障になります。5大原因の内4つは検出されない故障なので一つの目安程度にしかなりません。

イグニッションコイル回りの断線についてはこちらに詳しく載っています。
5,000円程度で直る場合もありますので是非チェックしてみてください!

原因追求④ 『キックスタートして圧縮はありますか?』

キックスタートをした時のエンジンの圧縮のことなんですが、圧縮??って何?って感じだと思います。エンジンは燃料と空気を圧縮し爆発させて動いています。この圧縮ができないとエンジン不調になりかからなくなります。圧縮とは【押して縮める】事なので気体を押し縮めるときの【反発力】みたいなものを感じられるか否かを確認していただきたいのです。

具体的に言いますとキックスタートをしてみてキックがあまり抵抗もなくスカスカ動く?=【これは圧縮がない。】またキックするとグッと抵抗が感じられキックが重くなりさらに踏み込むとスポンと抵抗が抜けるような動きをする?=【これは圧縮がある。】このどちらかを判断していただきたいのです。

  • 圧縮がなくキックが軽い

圧縮がない場合【カーボン噛み】の可能性が大です。エンジン内に溜まったカーボンがバルブ部分に噛みこんでしまい圧縮漏れがでる状態です。メーカー問わず起こりやすい症状なので要注意です。エンジン焼付などでも圧縮がない状態になりますが、圧倒的にカーボン噛みの可能性が高いです。

  • 圧縮がありキックに程よい重さがある

圧縮はコンプレッションゲージなどで正確に測るのですがキックスターターでも充分圧縮があるなしの判断はできます。圧縮が感じられる場合はカーボン噛みの選択肢は消してもかまわないと思います。

カーボン噛みの修理はどこまでやるかで価格に差がでます。エンジンをばらさずにクリーナーで洗浄する方法や、添加剤で洗い流す方法、エンジンをばらしてヘッドのオーバーホールをする方法などがあります。価格は数千円~数万円と大きな幅がありますので症状を見てバイク屋さんと相談するのが良いと思います。

カーボン噛みの応急処置 運よくかかることも

カーボン噛みはエンジン内でカーボンが粉砕すれば動き出す可能性がありますのでクランキングでカーボンを排除する方法をご紹介します。あくまでも応急処置ですし動き出す可能性もさほど高くないですが『ダメもとでやってみよう』くらい軽い気持ちでお読みください。

※バッテリーは正常な状態で行ってください。バッテリーが弱くセルが勢い良く回らない状態ではやっても厳しいです。エンジンオイルも正常にはいっていることが大前提です。

  1. キーをオン、ブレーキを握ってセルボタンを10秒間押し続ける
  2. キーをオフにして10秒ほどバッテリーを休ませる。
  3. 再度キーオン、ブレーキを握って、アクセルを少しだけ捻りその状態のままセルを10秒間押し続ける
  4. キーをオフにして10秒ほどバッテリーを休ませる。

以降3.と4.を繰り返しエンジンがかかり始めたらラッキーです。アクセル(スロットル)の捻る量はおおよそ20度~45度程度です。

バッテリーの電気を使い切らないように注意です。可能であればブースターで他のバッテリーと繋いでやると効果的です。
もしバッテリーが弱くなりセルの勢いが弱まったらそこで諦めましょう。セルの変わりにキックで頑張ってもかまいませんが力強く何回もキックするのが必要です。

原因追求⑤ 『冷却水は減っていませんか?』

冷却水の量をチェックしてみましょう!通常、冷却水(クーラント)の量は大幅に減ることはないのですが、もし減ってしまっている場合は注意が必要です。冷却水が大きく減っている車両はヘッドガスケット抜けの可能性が高くなります。

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赤丸で示したところが冷却水の点検窓になります。すぐに見てみてください!

  • 冷却水は減ってない

点検窓にはFとLの文字があり。FがフルでLがロウ、つまりFとLの間に水面があれば規定量内になります。冷却水がF付近にあれば冷却水が減った様子はないと判断できます。ただし点検窓はあくまでもリザーブタンクなので稀に裏切られることはあります。点検窓ではフルなのにエンジン内の冷却水は空でしたってこともありえます。なにかしらの原因でリザーブタンクの冷却水がラジエーター側に送り込まれないからです。

  • 冷却水が減っている

もし冷却水がL付近やそれよりも下まで減っている場合は冷却水がなにかしらの原因で流失していると予想できます。そしてヘッドガスケット抜けの可能性が大きいと判断できます。

ジョグやビーノで冷却水がエンジン内に流失してしまいエンジンがかからなくなる時はヘッドガスケットから抜けることがほとんどです。さらにウォーターポンプのオイルシールからの滲みも出やすいので直す場合はヘッドガスケットとウォーターポンプ回り両方の修理が必要です。修理代としては数万円単位でかかってしまう少々大掛かりな修理になります。

プラグを外すと冷却水でビチョビチョ!?

もしエンジンがかからなくなり冷却水が減っている場合はプラグを外してみることをオススメします。もしプラグを外してビッショリ濡れていたら冷却水がエンジンの燃焼室内に流入してしまっている証拠になります。

以上がエンジンがかからないか原因を見分ける方法の原因追求の①~⑤になります。
バイク整備に慣れていない方には少々難しい内容かもしれませんのであまり自分で無理をしないよいうに注意してください。
特にプラグを外したりするのは作業になれた方以外はあまりオススメいたしません。
プラグ取り外しは簡単なんですが時にとてもデリケートな作業が必要になります。
プラグホールのねじ山を舐めて壊さないように注意してください。

エンジンがかからない原因追求①~⑤まとめ

①セルは勢いよく回る?

回らないならバッテリー交換やスターターの修理をしてセルは万全の状態に。またはキック始動を試してみて。
修理価格は状況次第・・【0円~1.5万円程度】

②スイッチONで音しますか?

キーを回してスイッチオン、その時小さな作動音が数秒するはず。しない場合は燃料ポンプを疑って。
修理価格は状況次第・・【0円~3万円程度】
メーカー保証が使える可能性があるからこちらをチェック

③エンジン警告灯が点いてませんか?

スイッチオンで警告灯が点滅し続けるなら点火系で断線してるかも。点滅間隔を観察してバイク屋さんに伝えて。
修理価格は状況次第・・【3,000円程度~数万円程度】

④キックスタートして圧縮はありますか?

キックをしてみて圧縮が感じられない場合はカーボン噛みの可能性が大。応急処置をためしてだめなら修理に。
修理価格は状況次第・・【1,000円程度~数万円程度】

⑤冷却水は減っていませんか?

冷却水が大きく減っているならヘッドガスケット抜けの可能性大。出来ればプラグ外して確認したい。
修理価格は状況次第・・【数万円は覚悟】

今回ご紹介したケースは無数にある原因のなかで比較的多い症例にすぎません。この5大原因のどれにもあてはまらない故障もありますのでご了承ください。

原因を追究するためには多くの情報が必要です。エンジンがかからなくなった時の状況やちょっとした異変、普段の使用状況やメンテナンス履歴などたくさの情報をいただければバイク屋としてはそれだけ早く安く修理ができます。普段から愛車の状態に気をかけ、点検やメンテも怠らずに行うようにしましょう。

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